その闘い方で、未来はあるか?
── Notionに見るAI戦略の構造的な誤り
「NotionがAIを統合した」──それは当然の流れのように見えた。
洗練されたUXを誇る彼らが、最先端のAIを製品に組み込む。
しかし私はそこに、構造としての脆さを感じた。
闘いの舞台を間違えていないか?
Notionは、AIの時代に備えて、自社プロダクトにAIを内包した。
しかしそれは、「ユーザーをNotionに閉じ込めるためのAI」であり、
「AIと共に創造するためのNotion」ではなかった。
これは、戦う場所と戦い方を間違えている状態だ。
企業はAIプレイヤーにならねばならないのか?
Notionは今、自社AIの開発に多額の投資をしている。
それは自然なようでいて、本質を見誤っている。
企業が勝負すべきは「AIそのもの」ではなく、
どのレイヤーで主役を張るかという設計である。
- OpenAI や Google のような「AIそのもの」を作るプレイヤー
- そのAIを活用することで新しいUX・構造を提供するプレイヤー
この二者は別物だ。
Notionは本来後者であるべきだった。
AIプレイヤーの最大の顧客として、自社の価値を最大化する道があった。
Amazonは水道から始めなかった
もし、すべての家庭にプールを設置したいなら、水の流通から始めるべきか?
いいや、Amazonはそうはしなかった。
彼らは「プールの価値とは何か」に着目し、
物流とUXとサプライチェーンの統合で勝った。
AI時代も同じだ。
自社プロダクトの価値をAIが決める構造を採用したとき、企業はAIに未来を委ねてしまう。
UXの真の価値とは「選べること」
未来においてAIは高度に凡庸な存在になる。
誰が使っても、ある程度の品質を保証する道具になる。
そのときに重要になるのは、「AIの質」ではなく「AIの扱い方」だ。
つまり、ユーザーが
- どのAIと
- どのように協業するか
を選べる構造こそが、UXとしての核心になる。
パートナーシップとしてのAI
AIは道具ではない。
かといって主人でもない。
人とAIは「パートナー」だ。
パートナーとは、上下関係ではなく、役割の違いだけがある状態。
そして、互いに選び合える存在だ。
今のAI統合戦略は、「選ばせない設計」に傾いている。
それは一時の収益にはつながっても、構造としての死を招く。
構造のレイヤーを制する者が、未来のAmazonになる
これからの時代、
企業が真に問われるのは、次のどちらだろうか?
- AIを作ったか
- AIの上に構造を作ったか
後者の問いに答えられる企業が、次のAmazonになる。
Notionのような企業には、その道があった。
だが、彼らは目の前の流行に投資し、AIプレイヤーを目指すという誤った選択をした。
最後に:あなたたちが決めるべきこと
「この構造で収益モデルはあるのか?」と問う声があるだろう。
だが、それは私が答えることではない。
それを考えるのが、あなたたち(経営者・投資家)だ。
あなたたちの問いが正しければ、
このレイヤー設計にこそ、最大の可能性があることに気づくはずだ。